『医事業務』2023年4月1日号を振り返る ~院内保育所の特集から学んだ3つの視点~

読者ボイス

4月1日号の特集は「医療従事者を支える院内保育所」でした 私自身、子どもが3人いるので興味深い内容です。また、私が働いている病院の院内保育所の取り組みも掲載されていたため、ワクワクしながら読みました。そこで、個人的に心に残ったことを3つの視点で振り返ってみたいと思います。

視点1 保育所のICT・DX化

事例1の取り組みでは「登園・退園管理」「午睡(昼寝)のチェック機器」「連絡帳のペーパーレス化による保護者連絡」「写真のデータ連携」など、いろいろな効率化やサービスが図られており、保育所のICT・DX化はかなり進んでいますね。医療・介護業界はもちろん、どんな業界でも同じような対応を迫られていると思います。まさに「働き方改革待ったなし」です。

私も4歳の子どもがいて保育園に預けていますが、登園・退園管理はタブレットです。病院の持ち出しで運営している医療機関がほとんどでしょうから、効率化の取り組みとして院内保育所がある病院と担当部署は要チェックですね。

視点2 地域や院外の人たちとかかわるイベント

事例3の取り組みでは、子育てアドバイスや音楽の演奏を企画した子育てカフェ、保育園の子どもたちがつくった作品のアートギャラリー、同じ法人が運営する看護小規模多機能型居宅介護事業所との交流などが紹介されていました。地域や院外の人たちとかかわるイベントは心が温まります。

コロナ禍でなかなかイベントを開催できませんでしたが、だからこそ人とつながる機会は大事だと思います。コロナ禍が明けて、例えば「今後、地域とどのようなコミュニケーションを取っていくのか」「イベント解禁後の取り組みに対して医療機関はどう考える?」などといった特集も期待したいです。

視点3 経営的な視点と地域・職員への貢献

最後に、全体の特集を読んで感じたことは「経営的な視点と地域・職員への貢献」です。院内保育所は利益が出ません。たいていは認可外ですので、行政からの補助もなく赤字です。しかし、職員が働きやすい環境をつくったり、さらに地域型の保育園になったりすれば地域の子どもも預かることができますので、地域貢献にもつながります。

医療機関でも働きやすい職場になれば職員は満足します。その職員が満足すれば、おのずと患者さんに提供される医療サービスの質も上がります。経営的には単一事業で見るのでなく、多角的な視点で捉えて検討したい項目が「院内保育所」だと感じました。

読者 真生会富山病院 企画課 主任 中神勇輝

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